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マトリガール・登場人物紹介 津森美月

小説『マトリガール』の発売日まで一週間を切りました。
女性の麻薬取締官が主人公の、サスペンス。
一言で表そうとすると、こんなあっさりした説明になりますが、
この作品にどんな人物たちを登場させようか、どんな人生を描こうか、
かなり試行錯誤したぶん、思い入れがあります。
その人物たちについて、少しずつ語っていきたいと思います。

まずは、主人公・津森美月。
何不自由なく育ってきたように見えて、実は優秀な姉と比べられることに
強いコンプレックスを抱えている。
でも、正直言って、甘ちゃんです。
所詮、甘ちゃんのコンプレックスです。
おそらく、わたし自身が抱えている弱さや甘さと似ています。
そんな甘ちゃんが、とんでもなく厳しい状況に落とされた時、
どんな風に目を覚まして困難に立ち向かうか――。
この物語で一番書かなきゃいけないところは、そこでした。
どこまで表現できたか、自分の中でももどかしい部分もありますが、
これからも彼女と一緒に歩いて成長していければ、と願っています。

もし美月が自分の友人だったら、どうでしょうね。
「もう、しょうがないなー」とか文句を言いながらも、
ついつい話を聞いてあげる係になってしまいそうです。
なんだか放っておけない、妹気質の持ち主かもしれないですね。
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小説『マトリガール』

ブログをあまりに放置しすぎていて、我ながらびっくり。失礼しました。
前回の更新の辺りから取り組んでいたプロジェクトが、ようやく結実しました。

小説『マトリガール』(ポプラ文庫)、12月5日発売。
新人女性麻薬取締官を巡るクライム・サスペンスです。
Amazonや楽天ブックスで予約受付中です。

ここに辿り着くまで、かなりの紆余曲折がありました。
師匠とのブレスト段階から悩みに悩み、
わたしの手に委ねられてからも、
編集者さんと相談しながらさらに練りました。
ミステリーとしての面白さを出しながら、
麻薬取締官という職業の、地に足の着いた描写もしたい。
マトリガールと銘打つからには、主人公の成長もさせたい。
欲張りなのは解ってるけど、浮かんだ限りの構想をとにかく全て形にしたくて、
時間ギリギリまで精一杯もがきました。
そうして生まれた一冊。
書き上げた直後のライターズ・ハイは越え、今はじっと審判を待つような
とても静かな気持ちです。

一人ではとても書くことが出来なかった作品です。
原稿用紙の使い方から教えてくださったシナリオセンターの先生方、
エンタメの構成や小説の描写を叩きこんでくださった師匠、
快く取材させてくださった元・マトリの方々、
根気よく修正にお付き合いくださった編集者さん、
叱咤激励しながら見守ってくれた家族や仲間たち、
たくさんの方々のおかげで、作家としてのスタート地点に立つことができました。
そして、これからこの作品を読んでくださる方々にも、感謝の気持ちしかありません。

皆さんに楽しく読んで頂ければ、それが最上の喜びです。


([ふ]4-1)マトリガール (ポプラ文庫 日本文学)([ふ]4-1)マトリガール (ポプラ文庫 日本文学)
(2014/12/05)
藤村 美千穂

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