あの3月11日から、矢のように時が過ぎて、
今日でもう6月だなんて。
多くの人の感覚が、こうではないかと思います。
あの日から、気持ちも生活もがらりと変わってしまいました。
ざばざば溢れるくらいの電気を好きなだけ使えて、
のほほんと自分たちのことだけ考えて暮らしていける
呑気な時代は終わってしまった。
東北沿岸部の、波にさらわれてしまった町の営みや
いつ収束するのか予断を許さない原発。
未だにエスカレーターが止められた駅や
夕方なのに照明が消されて真っ暗な電車。
今は非常時には違いないけど、徐々に回復したとしても
あの日以前の明るさには決して戻れないんだろうなと思うと、
胸が痛む。
でも、誰もが必死に生活を立て直そうとしている。
自衛隊のように、身体を使って復興活動に携わる人。
お医者さんや看護師さん、心と身体のケアをする人。
あったかいご飯を作り、配る人。
物流を回復させる人、工場を立て直す人。
そんな中で自分の役割は何だろうって考えました。
作家(しかもタマゴ)というのは、あまりにも無力だと思えた。
実際、そんな弱音を吐きつつも、現実に締め切りは押し寄せ、
もうとにかく、がむしゃらにやるしかなかった訳ですが。
でも、そんな中で初めて自分が関わった本が世に出て、
来月には、初めて参加したドラマが放映される。
何もかもがうまくいったとは到底言いがたい経験だったけど、
それで少しでも、誰かが喜んでくれるのなら、
私のやってることも的外れじゃないのかな、と思える。
多分、ひとりひとりがそんなことを考えさせられている、
そんな二ヶ月あまりではなかったかと思います。
被災地ではまだまだ厳しい日が続く。
そうじゃないところでも、みんなが痛みを抱えている。
それでも、走り続けていきましょう。
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