fc2ブログ

脱力

昨日まで、事務所の舞台「らん」の公演でした。

私は初日のゲネを観て、その後はお手伝いで

ちょくちょく通ってました。



まあとにかく、53人という大人数で繰り広げられる

お芝居の迫力が凄い!

華のある主演陣、実力と存在感のある劇団員と、

それぞれ持ち味を生かしたキャラも立っていて

殺陣の見せ場もあって。

役単体で見ると、とんでもない女たらしとか

卑怯者とか、ろくでもないキャラが多かったけど

どの役者さんも魅力的でした。

正直に、ウソをつかず生きろ、というメッセージも

すごく心に響いた。

役者さんたちの白熱した演技が

そのメッセージを生きたものに仕上げたんだな、と

そんなことを思いました。

当たり前のことかもしれないけど

台詞が生きて聞こえてくるって、やっぱり凄い。



三味線・ピアノ・サックスの生演奏で繰り広げられる

バックミュージックも、臨場感たっぷりだった!

どこか哀愁を帯びたような、それでいて

身体が自然と動き出すような音楽。

最初、生演奏って聞いた時、どんな感じなのか

全く想像がつかなかったけど、本当に良かった。



今回は役者さん目当てでいらっしゃったお客様が

多かっただろうけども、きっとお芝居の内容も

楽しんでいただけたのではないでしょうか。

私も裏方ながら、少しでも関わることが出来て

充実した五日間でした。

そしていつか、こういうお芝居を書きたい。



それにしても、千秋楽の明けた朝に飛び込んできた

つかこうへいさんの訃報には、耳を疑った。

ちょうど、昨日お手伝いに行った時に

スタッフ仲間が

「土曜日につかさんが来てたよ!」

と、嬉しそうに話してたのです。

「あれ?入院してはるんじゃなかったっけ?」

って思いながらも、お元気になられたんだなーと

呑気に納得していたところへ、この訃報。

ショックすぎて、言葉も出ません。

みんなの見たつかさんは、何だったんだろう。

弟子の公演を心のどこかに留めてらして

天国に向かう途中にふらりと立ち寄られたのか。

でも、秦さん本人には会われなかったというのが

また、なんとも言えず…涙。

謹んでご冥福をお祈りいたします。



さあ、今日からはお祭りでボケた頭を戻して

通常営業です。

スポンサーサイト



楽しかった~!

お昼は劇団四季の『CATS』。

夜は事務所仲間さんが書いた舞台『オセロ』。

一日で、はしごしてきました。



前者は舞台装置や演出の凄さと

役者さんの躍動力や歌の迫力がものすごい!

観客の目の前まで猫さんたちが躍り出てきて

手に触れたり、お客さんと見つめ合ったり(ドキドキ)

観客の感性を引き出してくれるような演出で

これは、はまる人が続出するのもわかるなあ。



一方、後者は、脚本が良かった!

喫茶店の中という平凡な空間の中だけで

1時間20分、ノンストップで楽しく見せる工夫が

素晴らしかったです。

登場人物も、役者さんが少ない中で

うまいことたくさんの人物がいるように動かしたり。

台詞の繰り返しも、前後で全然違う風に響くように

工夫されていたり。

勉強になる部分がいっぱいでした。



ともあれ、間逆だけどどちらも良質のエンタ♪

一日にどちらも観られるなんてめちゃ贅沢!

幸せな一日だったなあ。

あ。

宿題、今日はちっとも進まなかったので

明日は頑張らなくちゃ…(>_<)

早く、皆さんを楽しませる側に回りたいものです。

贅沢な一日・その2/ろくでなしな浜辺の夜

さて、恵比寿から山手線に乗って日暮里へ移動。

事務所主催の舞台『タクラマカン』の鑑賞に向かいます。



超絶方向音痴な私は、初めての土地に行くときは必ず迷う。

事務所絡みの集合でも、既に2回もやらかしている。

そして今回も、3分で着くはずの会場なのに

気付いたら20分もウロウロしまくった末に

ようやく、会場のサニーホールに到着…!

ちょっと心が折れかけましたが(笑)諦めなくて良かった。

いいお芝居でした。



『月の子供』の時も感じたけど

秦さんのお芝居はワンシーンに篭められた情報量が凄い。

台詞をひとつひとつ噛み砕いていくうちに

色んな感情が波のように押し寄せてくる。

今回は、”浜辺のろくでなし”と呼ばれ蔑まれる青年たちと

彼らをまっとうな道へ導こうとする少尉の葛藤に

ガツンとやられました。

描かれているのは綺麗な感情ばかりではないけれど

観終わった後に、なぜか心が浄化されたような気がした。

回想でどんどん時間軸が戻っていって

最後にファーストシーンの意味がわかるのも

やられた!という感じでした。



役者さんたちはワークショップで一年間頑張ってきた方々。

稽古に、配役のあれやこれやに、色々大変だったはず。

でも皆さんいい演技を見せてくださいました。

ケイ役の吉川さん。

そんなに声を張り上げない場面でもすごく声が通っていて

存在感がありました。

カラス役の小栗山さん。

コミカルで軽やかな場面と、シリアスな場面の切り替えが

素晴らしく鮮やかでした。

ツキノ役の歌原さん。

指先まで神経の行き届いた清らかな少尉役、はまってました。

ババア役やシラタキ役の女優さんも良かったなあ。

この先、一緒にお仕事させてもらう可能性もあるかも、と

想像するだけでワクワク♪



たくさんの表現者さんたちに、たくさんのパワーをもらった

贅沢で豊かな一日でした。

さあ。私の今週はこれからが本番。気合い入れなきゃ!


月の子供

昨年末から所属しているOFFICE BLUE主催の

舞台 『月の子供』

ただいま公演中です!



作家の私たちも日替わりでお手伝いに行っています。

今日、私も出向いてきました。

当初はお昼公演だけの予定だったけど

なりゆきで夜の公演まで居ることに。

チケットをさばいたり、席の誘導をしたり

お手洗いの場所をお客さんに教えたり(笑)

なんだか大学時代の文化祭を思い出すひとコマでした。



合間にはしっかり観劇も果たしてきました。

事前にちょっぴり聞いていたけど

秦さんの舞台の世界はかなり複雑。


現代/過去

現実/瞑想


境目がよくわからない…!

そうしてぽかーんと役者さんたちのやり取りを眺めながら

脳みそがぐにゃりとしたところに

突如、ものすごく響く台詞が飛び込んでくるのです。

その結果、ワケもわからず泣いてしまう有様に…。

ほんまに自分でもビックリしました。

かつて「ラストプレゼント」の時なんかもだだ泣きしたけど

秦さん、やはり恐るべし。



そして、閉演後。

俳優さんたちが”全て出し切った”という表情で

それでも私たちに「お疲れさまでした」と

頭を下げた様子にグッときました。

これまで、舞台はただ”見る”ものだったけど

今回は作り手の思い、演じ手の思いに

より近づけたような気がします。



私も頑張らなければ!



いやー、皆さんにも観ていただきたいです。

17日が千秋楽。

土日は盛況のようですが、余裕のある方は是非!