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マトリガール・登場人物紹介 奥居悟

美月と共に働くマトリチームの皆さん。
彼らのキャラ作りには、取材協力して頂いた元マトリの方々を参考にしました。
マトリと言えば、きっとコワモテで体格もいい方々が多いのだろうと
事前に予想していましたが、お話を伺った方々はとても穏やかな外見で、
声を荒げたりする様子さえ想像できず、意外でした。
でも、現場では、きっとモードががらりと切り替わるのだろうと思わされる、
迫真のエピソードもたくさん伺いました。
そのお話の中から、後藤田、緑川、陣野といったタイプの違うキャラクターを
掘り起こし、形にしていきました。

彼らの中でも最も美月と年齢が近く、親しげに話しかけてくるのが奥居悟です。
彼はチャラチャラしていて女好きという、一見マトリらしくないタイプのキャラです。
でも、観察力が鋭い一面を持ち、姉妹の人生に踏み込んでくるなど、
物語の中でキーになる人物でもあります。
基本的に人たらしというか、他人を自分のペースに巻き込むのがうまいです。
ずかずかとパーソナルスペースに入り込んでくるので皆は内心うんざりだけど、
姿が見えないと「あれ、今日奥居はどうしちゃったんだろう」と気になってしまう。
いつの間にか、ひそかに頼りにしてしまってることに気付く。そんな存在です。
彼が職場にいると、色々と波紋を呼ぶような問題を起こしそうではありますが、
退屈しないオフィスライフになりそうです。

また、美月を軸にした彼らマトリの活躍を、チームワークをさらに強調した形で
描く機会があればと思っています。
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マトリガール・登場人物紹介 倉科耕司

神南署生活安全課に勤める、倉科耕司。
主人公の美月が麻薬取締官を目指すきっかけになった刑事です。

彼は、本来はとても優しい人です。
あまり口数は多くないけど、良き夫であり、良き父であった人。
ただ、ある出来事をきっかけに、彼の人生に影が帯びるようになってからは
ところどころ無鉄砲になったり、偏屈な考え方をしたりするんですよね。
でも根の優しさは変わらず、部下にはさりげなく面倒見が良くて、
とても慕われている。
そんな人物像です。

わたしの中では、一緒に飲みに行ってみたい人No.1です。
潰れる手前まで酔うと、普段の鎧がとけて、
腹を割っていろいろ話してくれるような気がします。

マトリガール・登場人物紹介 津森日向

美月の双子の姉・日向。

昔読んだことのある河合隼雄さんの心理学本で、
「グリム童話に出てくる兄弟が、一人の人間の光の部分と影の部分を
分かち合って描かれていることがある」という趣旨の記述がありました。
今回双子を描くにあたってその話を思い出し、意識して書いた部分もあります。
美月が影だとすれば、日向が光。
能力もあり、どんな危険にも物怖じせず立ち向かっていくイメージです。
そして、とても妹思いです。

この姉妹の会話は、書いていてとても楽しかった。
もっともっと話をさせたかったし、エピソードも作りたかったけど、
本筋からズレてしまうのでやむなく諦めました。
きっと、これからも美月と一体になって事件を解決していく存在、であるはずです。
大切にしたいキャラクターです。

日向が友人だとしたら、すごく心強い反面、
やっぱり眩しくて遠ざけてしまうこともあるかもしれない。
でも日向の方はそんなことには全然囚われてなくて、
「バッカじゃないの」と笑い飛ばしてくるでしょう。
そこがやっぱり眩しくて、憧れるけど、手が届かない人、なのかもしれません。

マトリガール・登場人物紹介 津森美月

小説『マトリガール』の発売日まで一週間を切りました。
女性の麻薬取締官が主人公の、サスペンス。
一言で表そうとすると、こんなあっさりした説明になりますが、
この作品にどんな人物たちを登場させようか、どんな人生を描こうか、
かなり試行錯誤したぶん、思い入れがあります。
その人物たちについて、少しずつ語っていきたいと思います。

まずは、主人公・津森美月。
何不自由なく育ってきたように見えて、実は優秀な姉と比べられることに
強いコンプレックスを抱えている。
でも、正直言って、甘ちゃんです。
所詮、甘ちゃんのコンプレックスです。
おそらく、わたし自身が抱えている弱さや甘さと似ています。
そんな甘ちゃんが、とんでもなく厳しい状況に落とされた時、
どんな風に目を覚まして困難に立ち向かうか――。
この物語で一番書かなきゃいけないところは、そこでした。
どこまで表現できたか、自分の中でももどかしい部分もありますが、
これからも彼女と一緒に歩いて成長していければ、と願っています。

もし美月が自分の友人だったら、どうでしょうね。
「もう、しょうがないなー」とか文句を言いながらも、
ついつい話を聞いてあげる係になってしまいそうです。
なんだか放っておけない、妹気質の持ち主かもしれないですね。